認知症が始まった。

「おい、お金を出して来てくれんか?」
父からキャッシュカードと暗証番号が告げられ、銀行に向かったのが半年前の事だった。

気安く請け負い、銀行の自動払い戻し機に暗証番号を入れると
「このキャッシュカードは使えません。詳しくは窓口へ。」と出てくる。
番号の入力ミスかと思い再び入れたが、再度同じメッセージが…

窓口に向かい仔細を聞くと、暗証番号を3回以上間違うと払い出しできなくなり、再度本人と通帳を持って窓口で再手続きが必要だという。
郵便局のキャッシュカードも預かっていたので、そちらで払い出そうとすると再び同じように払い出しができない。

帰宅して父に通帳のありかを問うと、どこへやったかわからないという。
慌てて家の中のありそうな場所を調べたがどこにもない。
えらいことになってきた。盗まれたのかなあ…
その時はそんな風に思っていたのだが…


認知症の父を介助し始めて、気づいた事をこれから書き記します。
父への介助の記録として書き続けようと思います。