薬局薬剤師の仕事②

 YOMIURI ONLINE発言小町の”調剤薬局がうっとうしい”には、今尚多くの一般の方からの意見が書き込まれています。
  http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0516/130073.htm?g=01
 しかし、同時に薬剤師自らが発言し書き込む例も多くなりました。その中には「勤務しているから会社に逆らえない。」「法に準拠しているだけだ。」という薬剤師の発言も見られます。こういった発言に眦を上げ、医療の本質を語る薬剤師もいます
   ”薬局のオモテとウラ”http://blog.kumagaip.jp/article/4184891.html
 砂原茂一著「医者と患者と病院と」(岩波新書)に書かれているように、米国では1973年に既に”患者の権利章典”として

  1. 医療責任の明確化
  2. プライバシーの尊重
  3. 真実の告知(情報公開)
  4. よく説明され、知らされた上での同意(インフォームドコンセント
  5. 患者の自立・自己決定権
  6. 患者の社会的差別の克服

が主張され、医療におけるパターナリズム(家父長主義)が否定され、インフォームドコンセント、NBM(患者との対話を通じた医療)の重要性が認識されています。
 医療は本来サービスであって、個々の患者様にあったオーダーメードであるべきものです。故に調剤も個々の患者様の特性にあった形でなされるべきです。その為に必要な”対話”は不可欠なもので、薬剤師側からは”料金がつかない”などの理由で欠けるべきものではないし、患者様側からは”うっとうしい”が理由で否定されるべきものではありません。
 薬局薬剤師として、どのようにオーダーメード医療がなされているかの例をあげます。例えば、対話をきっかけに患者様の特性として「ドライシロップが苦いから呑めない」「嚥下障害がある」事が把握できると、ココアパウダーを添加したり、剤形を変更するよう医師に提案します。
 さらに、私の薬局では対話の中から”患者様の質問の奥にある思い”をとらまえ、患者様の抱える問題を供に改善すべく、薬科大学と症例検討会を実施しようと計画しています。
 真の医療には患者様との”対話”が不可欠です。今ある薬局での医療にとどまることなく、患者様と寄り添う医療を行う為に、薬局薬剤師の仕事をこれからもお伝えします。