薬剤師を面白がろう!

「月給30万はもらわないとな。」とか、「鹿児島じゃ月給40万円に車つきだぜ。」、今の薬学部の4年生の就職談義ではこんな会話が飛び交っているそうです。
薬学部6年制になって2年、4年制の学生が抜けると2年間は就職が止ってしまうので、大手の調剤薬局では必然的に青田刈りが始まっています。
でもちょっと考えてみて下さい。これがずっと続くと思いますか。分業率は既に50%を超えています。都市周辺では既に分業率上昇は止っています。このまま続くはずは無いのです。
先に就職しているから安泰だと思いますか。そのまま給料が上がると思いますか。経営者は甘くはありません。知識も持たず役に立たない薬剤師を高給のまま雇用するわけなんか無いのです。
就職状況の良さで薬剤師を目指す学生も、その応募状況の良さ故に薬学部を乱立する大学も、今ではない将来をどれだけ見据えているでしょう。薬学部全入制も囁かれる今日、自身のスキルを磨かないと、医療の中では薬剤師はきっと置いてけぼりを食わされます。
せっかく入った薬学部・薬剤師なんだから、せめてここは一番、薬剤師を面白がっちゃいましょう。
有機化学の構造式は面白くないかもしれません。でも、立体構造にして受容体との結合をコンピューターでドラッグデザインで使ってみると、結構面白くないですか?薬理や薬物動態も、結構論理学や数学みたいで面白くないですか?
若い勤務薬剤師の皆さんは、実は古手の薬剤師や経営者より新しい薬学知識をいっぱい身につけているんです。結構年寄りはびびっているんです。身につけた知識で患者様が納得し、喜んで下さったら楽しいものです。経営者が服薬指導加算をとれとか、お薬手帳を持たせろといっても、あなたが患者様にとって本当に正しいと思うやり方を通せばいいのです。
まっすぐに生きる生き方はなんら恥じる物ではないのです。
「金儲け、なんか悪い事ですか?」といったファンドの経営者もいましたが、そんな事を言う前に自らの胸に「何の為の金儲けか。」と問いただしてみましょう。法を犯すから悪いのではありません。善悪の基準は自らの内にあります。
そう思って薬剤師の仕事を面白がりましょう。それが、明日の薬剤師を作ることと信じています。