The Name Is Bond

 6月20日付THE DAILY YOMIURIにThe Financial Times,June 11に書かれた記事が出ていた。
 曰く、首都圏の若手ビジネスマン向けフリーペーパー「R25」にこんな財務省の広告が書かれていたのだという。
 「国債を持てる男子は、女性にモテる!!…か!?」
  (Women have a thing for men who own JGBs!!...right!?”

 この広告を受けて、The Financial Timesは次のように述べた。
 The name is Bond.Japanese Government Bond.Stuk with the tricky job of making debt issued by the world’s most indebted government an attractive investment prospect,
Japan’s ministry of finance has hit upon a novel sales pitch.
 (名前は国債。日本の国債。世界で最悪の借金を抱える日本政府は、国債を魅力的な投資に向かわせる危なっかしい消化策に行き詰ったが、財務省は奇抜な売り込み文句を思いついた。)
 
 日本政府の若者へのくだけた広告に対して、Financial Timesが返した映画007シリーズで使われた台詞“My name is Bond.James Bond.”を使った記事は実に洒落ている。

 日本の国債は95%が国内の機関投資家、すなわち銀行が買っている。
 今その銀行も、国の借金を考えると、国債自体はリスクが多すぎると、利率が高くならない限りこれ以上買わない姿勢になってきている。
 ならば、なんとか買ってもらうために、財務省は購入ターゲットを高齢者から若者にシフトした。この広告は、その為に作ったもののようだ。
 しかし、若者はもっと賢い。
 簡単に儲けるために、国債などではなく、FXなどにも手を出しているのを財務省は知らないのだろうか?

 ソブリンリスクを回避するためにも、ここは菅首相にしっかりした政策を打ち出してもらいたい。
 既に世界ではFinancial Timeにあるように、日本は“世界で最悪の借金を抱える国”として認められている。
 
 BondもJamesがつくかつかないかで、国を守るのではなく、破綻に追いやりそうだ。