プロボノ活動
2011年12月11日午前10時。
大阪地下鉄本町駅の西隣、阿波座駅を降りて数分歩いた裏通りに目指すビルがあった。
1回はビルの車庫。階段を上がった2階に、一つのフロアを複数の企業が共有するスペースがある。
ここで行われる説明会を聞く事が、私のその日の目的だった。
「おはようございます。日曜日の朝早くからご苦労様です。」
迎えてくれたのが、特定非営利法人「サービスグラント」のスタッフの方。
http://servicegrant.or.jp/
早めにやってきた私の後から、数名の若者が訪れてくる。
業種たるや、プラント設計の技術者もいれば、農業活動を行うもの、ウェブデザイナー、アートディレクターなど多種多様だ。
何をしようとしているのか、何の為に集まってきているのか。
「プロボノ」という言葉をご存じだろうか。
”公益善の為に”と訳されるこのラテン語を使ったプロボノ活動は、社会の公益の為に自分たちの専門的知識・スキルを使ってボランティアを行う事を意味する。
例えば、2006年にノーベル平和賞を得た、ムハマド・ユヌス氏率いるバングラディシュ:グラミン銀行などは、マイクロファイナンスという手法を利用して貧しい民に無担保で融資を行い、彼らの活動を支えている。東日本大震災後、企業を通じて復興支援を行う多くの人々がいる。
これらがまさにプロボノ活動の一つであり、このサービスグラントも、各NPOのHPやウェブデザインの作成を通じてプロボノ活動を展開するNPOなのである。
しかし、HPを作るにしても各NPOの目指すものを理解するためには、多くの異なる専門知識が必要となる。表現はデザイナーが行っても、コンセプト作りには専門知識が必要となるのである。
自分達の知識を社会に生かしたい、そう願う人達がここに集って、自分達の時間をボランティアに充てる、そういう支援の在り方が今社会にでき始めている。
支援が必要な人々はこの社会には沢山いる。
できる事から一歩ずつ始める事こそ、社会をより良いものする大事な一歩なのだと思う。