インフルエンザ流行

インフルエンザウィルスは変異しやすい。
インフルエンザウィルスの種類は皆さんよくご存知のA型・B型の他にC型と3種類あります。
なぜ変異しやすいかというと、ウィルスというものの構造自体にあります。
人間や細菌の体は細胞を持ち、その中にDNAやRNA・リボソームなどがあり、自らDNAを複製しまた蛋白質を合成します。
ウィルスはDNAかRNAのどちらか一方を持つだけで、感染した相手の細胞の中で自らの複製を作ります。
この時、人間はDNAは二本鎖で出来ていて、お互いの鎖が相手を認識して結合します。
したがって複製時に誤ったDNAを作っても、相手が結合できないことで、誤った部分を修復する機構が働きます。
しかし、ウィルスは一本鎖のDNA・RNAなので、誤って複製してもそのまま修復されないことになります。
これが変異しやすい性質の大きな理由です。
鳥インフルエンザも今は人間には感染しませんが、一度変異を起こして感染力を持つと、人間は一度も罹患したことが無いので免疫を持たず,脅威となるでしょう。
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感染経路
感染は飛沫感染で行われます。つまり、患者の咳で飛ぶ唾液や鼻汁からです。
その為接触しないことが一番の防御となります。
しかし、家の中で接触しなくても、咳でとんだ唾液や鼻をかんだティッシュの鼻汁に存在するウィルスは、家の中という密閉した空間の中で空気中に浮遊しているので、家族はかかりやすくなります。
防御法①家の窓をあけて換気し、空気中のウィルスを外に追いやること。
②マスクでウィルスの侵入を止める。特に資生堂から出ている「ナノブロック」はウィルスの大きさよりも網目が小さく、またウィルスに結合しやすい良い商品です。
お薬
A型インフルエンザは症状の特徴として高熱が挙げられます。
B型インフルエンザは逆にあまり高熱は出ませんが、胃腸症状が出ることが多いです。
現在出ているのはA型・B型どちらにも効くタミフル(リン酸オセルタミビル)、リレンザ(ザナミビル)とA型のみのシンメトレル(塩酸アマンタジン)の三種類です。
但し、シンメトレルの使用量は少ないです。副作用報告もあり、少し使いにくいのでしょう。
タミフルは有名ですよね。ただ最近、使用量が多くなった為かB型には効きにくくなったという声が聞こえます。
リレンザは現時点ではそのような声は聞きません。今年は去年より多く使われるかもしれません。ただこれも、吸入という製剤しかありませんので、ご高齢や高熱の患者様には使いずらいと思います。