タミフル:薬剤師として今しなければならない事

タミフル服薬による未成年者の異常行動が連日報道されています。厚生労働省は、この異常行動とタミフル服薬には今現在相関関係は認められないとしていますが、あるテレビ局のキャスターは既に「この薬害が認められないのは、厚生労働省と製薬企業に何らかの関係があるのか」とさえテレビで述べています。
でも薬害ってどこにそれを証明できる文献があるのでしょう。現段階でのこのような薬害云々の発言は、薬を服用なさる方の不安を助長するものです。異常行動の犯人探しより、報道機関としてすべき事があるはずです。厚生労働省も専門家チームで分析を進めているのですから、その結果を待って報道すべきと考えます。
さて、「薬局のオモテとウラ」(http://blog.kumagaijp.jp/)を読んで、考えた事があります。
同ページにも記載されているように、2月28日付で医療機関厚生労働省より「インフルエンザ治療開始後の注意事項についてのお願い」がFAXで送られてきました。http://www.hyoyaku.org/files/1172710933.pdf
その内容を要約すると、タミフル服薬の有無に係わらずインフルエンザ罹患時は
       ?未成年者における異常行動の発現のおそれについて説明すること
       ? 少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮すること
でした。
今回の異常行動がタミフルによるのか・インフルエンザ脳症によるのか、実はそんな事より未成年者がインフルエンザ罹患によって異常行動を起こす事がある事、それも発病から平均1.4日という短期間に起こる事実があることから、大事な子供たちが命を無くす事の無い様大人は最低二日間は注意しましょうと喚起する事が、今の薬剤師のすべき事と思います。読んでいて勇気を与えられたブログがあります。これを紹介します。
  「何かをすれば何かがかわる:国の指示を待つのではなく動け
   http://blog.goo.ne.jp/suke03_tam24/e/95ecaff0c023f5e57e1ba74785dd6c9a
最後に、今回インフルエンザ罹患による異常行動がなぜ小児・未成年者に起こり、成人には発症しないのでしょう。(いや、実際はあるのかもしれませんが・・・・)
もしタミフルのせいなら、浜六郎医師のおっしゃるように未成年者の未成熟な血液脳関門を通過しやすいからなのかもしれません。ただし、血液脳関門は2〜3歳で出来上がりますから、実際には14・15歳の子供たちには起こりえないでしょう。
また、血液脳関門のP糖タンパクによる薬物排出機能がタミフルにどう作用するのか、調査報告書が待たれます。
血液脳関門に興味のある方には、
   東京大学分子薬物動態学教室http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~sugiyama/Research/research2.html
をご紹介します。