せん妄

厚生労働省は、22日これまでタミフルと異常行動についての因果関係を否定していた立場から、転落事故を調査しなおすという見解に変わりました。
タミフルのインフルエンザに対する有効性は認識されてはいますが、異常行動の報告がある以上、その因果関係は調査されるべきでしょう。
そんな中、読売新聞にタミフルを服用せずに異常行動を取った例が掲載されました。
   インフルエンザ14歳男子、タミフル服用せず飛び降り
   http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070323i301.htm
従来よりインフルエンザ自体に異常行動を起こさせる働きがあることは報告されていますが、この記事はその実例かもしれません。
インフルエンザによって起こるインフルエンザ脳症原因説もある中、先日「報道ステーション」で放送された異常行動を取った子供達の話を聞いてその症状について書かれた精神科医のブログがあります。
   Doctors Blog  http://blog.m3.com/Pharma-Doctor/20070317/4
ここにある「せん妄」とは何かというと、以下のHPを見てください。
   「せん妄」http://www.topnet.gr.jp/Hsiori/ZYUDAI/SENMOU.HTM
   「メルクマニュアル、せん妄」http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec06/ch083/ch083b.html
これから考えると、今回の異常行動がせん妄によって起こされた可能性が考えられます。せん妄の原因は感染症(インフルエンザなど)・薬剤などがあげられています。
事実、タミフルや気管支拡張剤(テオフィリン)などにもせん妄を起こす働きがあることが添付文書に掲載されています。
異常行動を起こした方の病歴や併用薬も含めて、詳細な厚生労働省の調査が待たれます。