経済財政諮問会議と社会保障 

 先日、”これからの高齢者社会と医療”という題で、厚生労働省医療費適正化対策推進室企画官 大島一博氏の講演を聞きました。
 私のBlogでも今まで何度も急速な高齢化の進展について述べてきましたが、大島氏の講演はこの内容を資料を基に丹念にお話なさったものでした。そして、内容をここで私が要約しなくても、今回お渡しくださった資料をより詳しく書かれたものが以下のサイトから読む事ができます。
 経済財政諮問会議骨太の方針2007(http://www.keizai-shimon.go.jp/cabinet/2007/decision070620.pdf
 この骨太の方針2007の9Pに医療分野に対する「規制の集中改革プログラム」が、24・25Pに社会保障改革が、43Pに質の高い社会保障サービスの構築への対策が書かれています。
 さらにこの骨太の方針2007の医療分野に対する施策の基本になったものが、平成19年5月15日柳沢臨時議員提出資料として提出された「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラムについて」です。
  http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2007/0515/item1.pdf
 その他にも「医療・介護サービスのコスト構造改革による財政効果について」では、後発医薬品使用促進による医療費の削減、公立病院の人件費等費用構造の見直し、レセプト完全オンライン化による事務費の削減などでどれぐらいの医療費削減が図られるかの試算表も提出されています。
  http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2007/0515/item3.pdf
 さて、経済財政諮問会議にはどのような人が出席されているのでしょう。実は出席者は以下の通り。
  http://www.keizai-shimon.go.jp/about/member/index.html
 勿論、国の歳出をどのように配分するかを考えているのでしょうから、このようなメンバー構成になるのでしょうが、人一人の命を救う医療をただ効率化だけで見て欲しくはないと思います。実際、わが国の医療費はOECD主要国の中でも、非常に低いのですから。
 一度この経済財政諮問会議の内容を読んでいただきたいと思います。

PS:今日の1冊「世界の医療制度改革OECD編著/阿萬哲也訳 明石書店世界の医療制度改革
 阿萬哲也氏は厚生労働省健康局総務課に勤務されています。
 この本を読むと、我国の医療の優れている面がよくわかります。同時に、世界的に見て如何に医療費が少ないか、世界はどのような医療制度を築いているのかを理解する事ができます。
 定価2500円。医療者としても医療経済を理解する上で良い本だと思います。