阪急電車

 本屋でこの本をふと見かけた時、「なんで鉄ちゃん(鉄道オタク)の本が平積みになってるの?しかも、サイン入りなんて…」と思ったのですが、作者の名前(有川 浩)を見てドッキリ!さらに出版社(幻冬舎)を見てえー!”有川 浩”と言えば、”塩の街””空の中””海の底”の自衛隊三部作の作者。さらにはあの”図書館戦争”シリーズの作者じゃない。思わず購入してしまいましたが、この本なかなか”グー!”なのです。
 「阪急電車」有川 浩著、幻冬舎阪急電車
 話は、私の住む街を走る、阪急電車今津線:宝塚ー西宮北口間の乗客一人一人の恋や別れ・生き方を、各駅ごとに連作として綴った、とても楽しくまた共感する内容なのですが、ここで喋っちゃモッタイナイ。是非買って読んでみて下さい。
 特に、逆瀬川から乗る老婦人と、別れた恋人の結婚式に純白のドレスで”討ち入り”した女性との会話には、思わず涙が出そうになりました。
 ちなみに、阪急今津線はこの本に描かれているように宝塚ー西宮北口間だけではありません。北口で乗り換えて、阪神国道・今津までを言います。昔は、神戸(三宮)ー大阪(梅田)を走る神戸線と北口で平面交差して今津線は走っていました。まさに、鉄チャンには”平面交差”で有名な線路だったのです。
 も一つちなみに、私の住む西宮市”甲東園”も今津線にありますのでこの本で描かれていますが、確かに学生の乗り降りが多く、本に描かれいる女学生の会話は実話に近いものがあります。
 最後に、北口で空席にバッグを放り投げて席を取ろうとする”オバハン”軍団は、絶対に阪急今津線沿線にはいません(笑)。そこはご理解ください。