奇跡の画家

JR元町駅から神戸駅の南側に、東西に亘る元町商店街がある。 商店街と言えば小さな店が並ぶ街を思い浮かべるが、この商店街は確かにアーケードはあるものの、歩道の道幅は大阪の心斎橋とは比べられないほど広い。 並んでいる店先にもほのかに港町の香りが感…

ハチはなぜ大量死したのか。

日本経済新聞や東洋経済に”日本でハチがいなくなっている。”という記事が相次いで掲載されています。 これは、海外からの女王蜂が輸入されなくなった事が主要な原因とされています。 しかし、実は世界的には北半球で1/4のミツバチが消えています。 巣箱や…

患者の声を医療に生かす

昨年の10月より私はこのブログをしばらく休んでいました。 当時を振り返ると、書く内容に手詰まりを感じたのか、何を書けばよいのかを見失っていた気がします。 その間、薬剤師が集うSNSを拝見したり、書き込んだり、また多くの本を読みました。 また、…

「命の砂時計」と終末期医療

先日、私の住む市で「第1回緩和医療研究会」が開催され、お知り合いの医師から連絡を頂き参加してきました。 会場であるT病院の2階会議室は、沢山の方が参加された為にあふれかえり、急遽座席が設営されたりしていました。参加者を見渡すと、ケアマネージャ…

怖い絵

怖い・恐い・・・漢字で書くとこうなりますが、私自身は、ホラー・幽霊・怪談・オカルトものは映画でも、本でも見る気がしません。 暫く前、映画監督の黒沢清氏は、NHKラジオで 「恐いという感覚が、一般には美しいや楽しいという感覚より劣っているとい…

阪急電車

本屋でこの本をふと見かけた時、「なんで鉄ちゃん(鉄道オタク)の本が平積みになってるの?しかも、サイン入りなんて…」と思ったのですが、作者の名前(有川 浩)を見てドッキリ!さらに出版社(幻冬舎)を見てえー!”有川 浩”と言えば、”塩の街””空の中””海…

ゴールデンスランバー

井坂幸太郎が久しぶりに書いた長編小説の”ゴールデンスランバー”は、なかなか読み応えのある作品です。 1月12日付朝日新聞夕刊で、作者自身が作品の中で伝えたかった思い「生きていて最終的に頼れるものは、人とのつながりでしかない。」は、私は十分に読者…

警官の血

今年度の「このミステリーがすごい!」第一位”警官の血”は、祖父・父・息子の三代を貫く警察官の人生を、その時代の歴史・人々の暮らしぶりを丹念に描写することによって著した実に見事な小説です。 ”警官の血・上巻”佐々木 譲著(新潮社) ”警官の血・下巻”佐…

国のない男

「国のない男」は、カート・ヴォネガットが書いた最後の本です。 “国のない男”NHK出版 ヴォネガットは20世紀アメリカを代表する作家で、その作品にこめられた権力者への皮肉と、“皮肉屋”ゆえの社会に対する優しさ・温かさは、彼の作品の底流となっています。 …

なぜひとりで食べるの

2007年11月20日の朝日新聞夕刊一面の“ニッポン人脈記−食卓のメロディ”に「ひとりで食べないで」という記事が掲載されました。 記事では食生態学者・足立己幸氏をとりあげていますが、足立氏は、依然私も読んで感動した、“なぜひとりで食べるの”の筆者でいら…

ワーキングプア−日本を蝕む病

NHKで放映されていたドキュメント“ワーキングプア”が単行本化されたので読んでみました。 「ワーキングプア−日本を蝕む病−」 TVでは、その実情を映像で見せられたことで、個々の事例の悲惨さに心が奪われましたが、活字化されると、こういった事例を生んだ背…

明香ちゃんの心臓

この本は心房中隔欠損の手術後に亡くなった、当時12歳の明香ちゃんの死因を究明するご両親の戦いの記録を書き記した本ですが、決して原因が究明された事で終わるお話ではありません。繰り返される医療事故を未然に防ぐため、そして起こった事故をどのように…

7月の読書中

1「反転」幻冬舎 田中森一著 元特捜検事の自叙伝ですが、人生の流転に驚いてしまいます。但し、読み辛いですねえ。 2「元東大病院分院長が見たこの国の医療のかたち」人間と歴史社 大原毅著 今の医療制度ができた歴史が読み解けます。多くの医療が抱える歪みを明…

エキスペリエンツ7

日本経済新聞社から出版されている堺屋一著「エキスペリエンツ7」は、一言で言えば”団塊の世代への応援歌”であり、地域社会活性化への処方箋かもしれません。 物語は、定年を迎える一人の銀行員の下に、”蕎麦屋”を営む学生時代の同級生の女性がやってきて、…

ノーフォールト 

「ノーフォールト」は、現役医師・岡井崇氏が、今日の医療における”医療危機”や医療問題を、大学病院の産婦人科での医療訴訟を題材にして私達に語りかけた小説です。しかしその素晴らしさは、氏自身の医師としての経験に裏打ちされた内容と、何よりも医療にか…

世界を変える人たち

”陽子線による癌治療法が注目を浴びている”という記事が朝日新聞(3月26日)に掲載されました。 勿論今までも癌治療法として放射線治療はありました。しかし、一般には透過性の高い電子線(X線、γ線)が主で、粒子線と呼ばれる陽子線の利用は少なかったのです…

貧困の光景

約10年前、薬剤師の募集をしていた時の話です。28歳の女性薬剤師が応募してきました。ただ彼女には勤務条件がありました。それは8ヶ月しか働けない事。 彼女は薬剤師免許を取得した後、海外青年協力隊に参加し、アフリカの地で外国人医師達と共に医療に携わ…