在宅医療

ある独居老人の現実

私が関わる在宅医療は、概ね高齢者が独居、或いは夫婦二人で自宅に住んでいるものばかりになっている。 その理由の一つは、所謂施設が在宅医療を必要とする高齢者が多く住んでいる理由から、効率良く訪問できるのに対し、個人宅は非効率な為、多くのチェーン…

 ある老女の死

齢90を越える老女は、早くに主人を亡くし、独りで暮らしてた。 確かに年相応の認知障害・運動障害も出てきてはいたが、金銭感覚も充分あり、食事や買い物介助で暮らす事が出来た。 若い時から自立した女性で、土地や自宅の資産もあり、現金も十分蓄えていた…

介護の現場からの招待状

先日、地域包括支援支援センターでケアマネージャーさんとお話しする機会がありました。 地域包括支援得センターのケアマネージャーは、一般に介護を必要とする高齢者の中でも比較的軽度の要支援1・2の方を対象にします。つまり、寝たきりや通院困難ではない…

生きる事の意味。

山の麓に住むT子さんのお宅は、薬局から自転車で約20分の距離にあります。 私が彼女の自宅を訪問するようになったきっかけは、昨年6月に送られてきた1枚のFAX.それは、医師からの指示書“居宅療養管理指導依頼書”。 91歳になる彼女は多くの疾患を抱え、…

 後期高齢者医療

私達薬剤師が日頃行っている在宅患者への訪問薬剤管理は、正式名称は在宅患者訪問薬剤管理指導(介護保険では居宅療養管理指導)と言います。これは、主治医からの要請と患者様の同意により行われるもので、通院が困難な患者様のお宅を訪問し、服薬指導・薬…

なぜひとりで食べるの

2007年11月20日の朝日新聞夕刊一面の“ニッポン人脈記−食卓のメロディ”に「ひとりで食べないで」という記事が掲載されました。 記事では食生態学者・足立己幸氏をとりあげていますが、足立氏は、依然私も読んで感動した、“なぜひとりで食べるの”の筆者でいら…

 薬剤師がいない。

私が在宅医療で訪問する老人宅には、ケアマネージャー・へルパーや医師が私と同様に訪問しています。先日訪問した時、患者様は気分が悪いと横になるや否や、嘔吐を繰り返し始めました。すぐに医師に連絡・往診の依頼をし、その後汚れた服を取り替え、吐瀉物…

 終の棲家(自宅編)

2011年度末までに、現在ある療養病床37万床のうち介護療養病床12万床は全廃されます。また残りの医療療養病床25万床も15万床+αに削減される予定です。また現実には既に療養病床の診療報酬は昨年7月に改定され、以前は全患者一律に一人当たり入院基本料月額…

訪問介護

朝日新聞7月13日夕刊の”窓(論説委員室から)”に「立て!心ある者達よ」という記事が掲載されました。この中にはコムスンの生い立ちと訪問介護の事が書かれています。 ”川名紀美”署名入り記事によると、コムスンは13年前今は亡き榎本憲一氏が、最期の時まで人…

終末期医療・在宅医療・緩和医療・・その3

薬剤師として 前回、厚生労働省の施策として、療養病床が23万床減る事をお話ししました。結果、これから在宅医療が進む事になるでしょう。私達薬剤師も真剣に在宅医療、そして緩和医療に取り組まなければなりません。 在宅医療に携わり始めた頃、薬剤師に在…

終末期医療・在宅医療・緩和医療・・その2

日本の現状とこれから まず、参考文献として次の書籍を紹介します。 「改革」のための医療経済学:兪炳匡著・・メディカ出版 入門 医療経済学:真野俊樹著・・中公新書 厚生白書 http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaz199901/b0034.html 上記の資料からのデ…