後発医薬品変更に不向きな薬

 4月よりの保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の改正によって、薬剤師は「処方箋に医師からの”後発医薬品変更不可”の指示がない場合は、患者様に対して後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない」という義務規定を課せられました。 
 4月からこういった処方箋に対して説明してはいますが、実は後発医薬品に変更するのに難しい医薬品があります。例えば

  1. 効果が直ぐにわかる薬。(睡眠導入剤・鎮痛剤など)
  2. 治療域の血中濃度の幅が少ない薬。
  3. 薬の成分ではなく、基材が重要な外用薬。
  4. 徐放剤。

などです。その他、どのようなものが後発医薬品変更に向いていないかは、メルクマニュアル家庭版にも記載されています。
 メルクマニュアル家庭版http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec02/ch017/ch017c.html
 そこで私の薬局では、患者様にこのような事柄について説明したうえで、変更についての同意の有無を聞いています。
 実は、上記事項を説明したうえで後発品に変更した患者様の中に、「やっぱり効かなかった。元の先発品に戻してほしい。」とおっしゃられる患者様が増えてきました。現在このような患者様を統計的に数値化するよう集計しています。
 厚生労働省がポスターで表示しているような、「成分が同じであれば、効果も同じ。」とはいかない例が現実には多々あります。
 ジェネリック医薬品に変更する難しさが、現場では存在していることを理解して頂ければと思います。