2007-01-01から1年間の記事一覧

チェーン薬局と個人薬局②・・・教育制度

1)教育システム 多くの真面目な薬剤師は、非常に進展の早い医学・医療に遅れないよう、卒後も知識を身につけようと自ら勉強しています。個人で勉強していると、実際今現実にはどのような薬が使われているのか、服薬指導・ケア計画はどうすればよいのか、幅…

7月の読書中

1「反転」幻冬舎 田中森一著 元特捜検事の自叙伝ですが、人生の流転に驚いてしまいます。但し、読み辛いですねえ。 2「元東大病院分院長が見たこの国の医療のかたち」人間と歴史社 大原毅著 今の医療制度ができた歴史が読み解けます。多くの医療が抱える歪みを明…

訪問介護

朝日新聞7月13日夕刊の”窓(論説委員室から)”に「立て!心ある者達よ」という記事が掲載されました。この中にはコムスンの生い立ちと訪問介護の事が書かれています。 ”川名紀美”署名入り記事によると、コムスンは13年前今は亡き榎本憲一氏が、最期の時まで人…

チェーン薬局と個人薬局

日経DI7月号に2006年上場薬局の決算報告が掲載されています。これによると、大手チェーン薬局8社は売上高は前年度を上回ったものの、営業利益はクラフトやメディカル一光の2社を除き減益となっています。しかし逆に日経新聞7月5日掲載記事では、2007年度業績…

症例検討会

薬剤服用歴管理記録簿、いわゆる薬歴をつける事の目的は、薬学的監視の観点から患者様が服用する多種のお薬について、副作用や相互作用の発生をチェックする事にあります。つまり薬によって与えるかもしれないリスクを未然に、または最小限に防ぐ為にあるわ…

銀座のハチミツ

7月1日(日)私用で東京に行ったのですが、そこで非常に面白い人たちに出会いました。彼らは、都会のど真ん中、銀座三丁目の紙パルプ協会ビルの11階で、なんとミツバチを10万匹も飼っているのです。 初めは「なんとはた迷惑な。通行人がハチに刺されたらどうす…

電子薬歴

薬局では、患者様のお薬の服用歴を残しています。患者様との対話の中で聞き取ったアレルギーや食事、また他に服用しているお薬(医療用、OTC)を記録として残す事で、お薬の相互作用や重複投与を未然に防ぎ、患者様の健康を守る事ができるからです。 以前まで…

「私」をもっとよく見て!・・認知症患者さんの伝えたい事

製薬会社のエーザイ・ファイザーが出している”ケアスタッフのためのアルツハイマー病ケアの要点”に認知症の患者さんが伝えたい事として”ある老婦人の手記”が掲載されています。 私が在宅医療を行っている患者様にも軽い認知の方がいますが、実際どんな想いで…

傾聴と非言語コミュニケーション

薬剤師は何をしてくれる人か? 「調剤と情報」4月号に東京SP研究会の佐伯晴子さんが”薬剤師があこがれの職業になる日”という記事を書かれています。http://www.jiho.co.jp/mag/cho/index.html (SPはSimmulated Patients:模擬患者の略で、医療面接の患者役を…

FLY DADDY FLY

”FLY DADDY FLY”は、 堤真一と岡田准一が共演した映画で、観客動員数は少なかったかもしれませんが、心に残る佳作です。 このなかに、”その向こうに見えるもの”という台詞がありました。この台詞は、今も私に問いかけます。 人は今を生きています。 ある人は…

臨床研修医制度の問題点

2004年4月から「臨床研修医制度」が必修化されました。これは昭和21年に導入されたインターン制度が、昭和43年公布施行された改正医師法によって廃止され、更にこの医師法が改正されてできたものです。 改正前の医師法では「医師は、免許を受けた後も、2年以…

心の声(老人性鬱症状)

”酸素飽和度97%、血圧137/87、左足に軽い浮腫、皮膚は潤いがあり、心音正常、食事もちゃんと摂れている。右下腿から膝にかけて放散痛あるも、現在の健康状態はまず良好と考えられる。” これが、私が現在居宅療養管理指導を行っている一人の患者様の医学的所…

”こうのとりのゆりかご”運用1ヶ月

昔から、「経済的貧困や社会的理由で子供を育てられない」故の”子供を捨てる”事例はたくさんあります。 五月に熊本で設置された”こうのとりのゆりかご”(別名:あかちゃんポスト)が、十日で運用1ヶ月を迎えました。 設置前、政府関係者(特に安倍首相)は、”…

エキスペリエンツ7

日本経済新聞社から出版されている堺屋一著「エキスペリエンツ7」は、一言で言えば”団塊の世代への応援歌”であり、地域社会活性化への処方箋かもしれません。 物語は、定年を迎える一人の銀行員の下に、”蕎麦屋”を営む学生時代の同級生の女性がやってきて、…

ノーフォールト 

「ノーフォールト」は、現役医師・岡井崇氏が、今日の医療における”医療危機”や医療問題を、大学病院の産婦人科での医療訴訟を題材にして私達に語りかけた小説です。しかしその素晴らしさは、氏自身の医師としての経験に裏打ちされた内容と、何よりも医療にか…

紙袋(・・・ヒトは見た目が9割・・・)

もう暫く前になりますが、NHKの”プロフェッショナル”で旭川赤十字病院の脳外科医:上山博康氏の放送を見ました。 上山医師は、年間300以上の手術をこなし失敗率1%以下という実績を誇りますが、私にはその実績よりそれを支える上山氏の信念にはるかに心を打たれました…

薬局薬剤師の仕事②

YOMIURI ONLINE:発言小町の”調剤薬局がうっとうしい”には、今尚多くの一般の方からの意見が書き込まれています。 http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0516/130073.htm?g=01 しかし、同時に薬剤師自らが発言し書き込む例も多くなりました。その中には「勤務…

調剤薬局がうっとうしい②・・・・医薬分業

前回、発言小町の”調剤薬局がうっとうしい”について、その”うっとうしい”理由を列挙しました。 http://d.hatena.ne.jp/tomoworkaholic/20070525 しかし、その発言が生じる理由の最大の原因は、一般の方々への医療制度や薬剤師の仕事に対する啓蒙活動不足です…

調剤薬局がうっとうしい・・・薬剤師の仕事

YOMIURI ONLINE”発言小町”というサイトに、”調剤薬局がうっとうしい”というコミュが立ち上がり、話題を呼んでいます。 http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0516/130073.htm?g=01 この中には、調剤薬局でお薬を貰われた患者様からの”不満”が書き込まれてい…

財政審・経済財政諮問会議の発言

財務相の諮問機関である財政制度審議会(財政審)が”公益医療保険給付は、後発医薬品の水準までとし、先発医薬品を使った場合の差額は患者の自己負担とする”よう16日厚生労働省に求めました。 会長の西室氏は「後発医薬品の使用促進は財政審委員の間では既に…

リレンザと異常行動

5月15日朝日新聞に”タミフル以外の異常行動”についての記事が掲載されました。 http://www.asahi.com/life/update/0514/TKY200705140393.html 記事によると、厚生労働省(14日発表)は、タミフル以外のインフルエンザ治療薬:リレンザ(ザナミビル)で、2000年…

先発医薬品は患者負担

2007年5月13日付けの日本経済新聞の一面を見てビックリしてしまいました。 医療保険、後発薬普及へ見直し・政府検討 政府は先発医薬品(新薬)と効果が同じで価格が安い後発医薬品の普及を促すため、医薬品に対する公的医療保険の適用範囲を見直す検討に入っ…

薬剤師を面白がろう!

「月給30万はもらわないとな。」とか、「鹿児島じゃ月給40万円に車つきだぜ。」、今の薬学部の4年生の就職談義ではこんな会話が飛び交っているそうです。 薬学部6年制になって2年、4年制の学生が抜けると2年間は就職が止ってしまうので、大手の調剤薬局では必然…

ジェイゾロフト副作用報告

世界医薬品売り上げランキング(2005年)によると、抗鬱薬ジェイゾロフト(塩酸セルトラリン)は20位にあります。 http://www.utobrain.co.jp/news-release/2006/070300/ 1990年にイギリスで、91年にはアメリカで承認された”ジェイゾロフト”は10数年を経た後、2007年7…

”棄てられるがん患者”を作らない為に・・・

AERA2007年5月14日号にこんな記事が掲載されています。 ”棄てられるがん患者”・・・「家で最期を」理想と現実 厚生労働省は先日もこのBlogで書いたように、医療費削減の為療養病床を2011年まで38万床から15万床に減らそうとしています。また、平均入院日数も減ら…

-後発医薬品使用推進の為にすべき事

4月22日読売新聞に「厚生労働省:処方箋における医薬品、後発医薬品が前提。」 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070422ik01.htm という記事が出ました。 後発医薬品使用推進の目的は、 ①国の財政における医療費の削減 ②患者様の意志に基づ…

-後発医薬品と先発品の違い

参考文献:ジェネリック医薬品Q&A(じほう) 製剤学(廣川書店) 先の後発医薬品①でも述べたように、後発医薬品は先発品と有効成分が同一で、投与経路、用法・用量、効能・効果が同じ医薬品です。 しかし、添加剤は違います。通常、医薬品は主薬(有効成分)に下…

-世界での使用状況

わが国の医療費は、平成14年度で31兆1240億円(国民一人当たり24万2000円)、その内薬剤費が占める比率は約21%で6兆5331億円です。 また、わが国の老人医療費は平成13年度では総額11兆6560億円と、国民医療費の37.2%を占め、老人一人当たりの医療費は75万7…

後発(ジェネリック)医薬品①定義

後発医薬品とは 現在、製薬企業は研究開発により新薬を開発・販売しています。 人の疾病を治療する新薬の研究では、まず有効な物質を見つけ出し、その時点で特許申請をします。特許期間は申請より20年、医薬品の場合は承認データが必要とされるので、5年の延…

緩和ケアと緩和医療薬学会

3月24日、東京で緩和医療薬学会の設立総会が星薬科大学で開かれました。 がん患者の苦痛を和らげる緩和ケア専門の薬剤師の養成を目的とするもので、医師や患者の相談に応じて薬のアドバイスができる薬剤師を育てるものです。 薬事日報http://www.yakuji.co.j…