2007-01-01から1年間の記事一覧

EXPO2007−日本医学会総会に行ってきました。

3月31日〜4月8日まで大阪城ホール・大阪ビジネスパークで開かれていたEXPO2007に行ってきました。 会場のあるJR環状線大阪城公園駅に降り立つと、なんとまあ、えげつないくらいたくさんの人。 ”皆行くんやったらSMAPのコンサートより多いんちゃう。”と思いな…

緩和ケアとNBM

厚生労働省は、「ガン対策の為の戦略研究」の一環として「緩和ケア」を普及させる為、数千人規模のガン患者を対象とした大規模研究を始めるそうです。 拠点病院を中心に早期ガンにも積極的緩和ケアを実施したり、自宅で最後を迎えたい人への在宅での緩和ケアを予…

副作用報告

今私の手元に”ジェイゾロフト市販後調査結果のお知らせ”という書類があります。これは、昨年7月7日に発売された抗鬱薬SSRI”ジェイゾロフト”の発売後半年間に集められた副作用の報告書です。 一般に新医薬品が発売されると、それまで臨床試験を受けて医薬品と…

医師会の活動と薬剤師会

3月19日の朝日新聞に日本医師会の意見広告が掲載されました。 意見広告http://www.med.or.jp/etc/iken/koukoku.pdf 要約すると 地域の産科が閉鎖に追い込まれている為に、将来「お産難民」が50万人発生する可能性がある事。 小児科医が不足している為、休日夜…

世界を変える人たち

”陽子線による癌治療法が注目を浴びている”という記事が朝日新聞(3月26日)に掲載されました。 勿論今までも癌治療法として放射線治療はありました。しかし、一般には透過性の高い電子線(X線、γ線)が主で、粒子線と呼ばれる陽子線の利用は少なかったのです…

学生実習

先週の月曜から2週間、某大学薬学部の学生を当薬局で受け入れ、実習を行っています。 学生に薬局での業務を教える事は、今行っている自分自身の業務への取り組み方を再確認する事ができ、結構教える側が教えられ事にもなっています。 4年生の現在は薬局実習…

せん妄

厚生労働省は、22日これまでタミフルと異常行動についての因果関係を否定していた立場から、転落事故を調査しなおすという見解に変わりました。 タミフルのインフルエンザに対する有効性は認識されてはいますが、異常行動の報告がある以上、その因果関係は調…

タミフル緊急安全性情報

タミフルについて、異常行動との因果関係は不明であるものの緊急安全性情報が出ました。 現物は下記のURLで見てください。。 http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/di/scholar/item/drug_data/news/2007/tam070301/pdf/tam.pdf?cPanelId=2900003 緊急安全性情報…

POSとSOAP

最近は大学でも症例解析の基礎として、薬歴へのSOAP形式での記載方法と問題解決法を学びます。レセコンにも、電子薬歴の中には、初めから”SOAP形式の記入”がソフトとして入っているものもありますよね。しかし、これは一昔前の薬剤師にはなかなか手法として…

専門薬剤師

3月17日朝日新聞掲載記事によると、緩和医療に薬剤師も積極的に取り組もうと「日本緩和医療薬学会」が結成されるそうです。この会は、モルヒネなどによる緩和ケアに特化した専門薬剤師の育成を目指しているそうで、終末期を自宅で過ごす患者、特にがん患者の痛…

タミフルにみる報道の公正性

今私の住む地区ではインフルエンザの流行がピークに達し、毎日夜9時過ぎまで多くの患者様にタミフルやリレンザをお渡ししています。ただこのピークもあと1〜2週間で終息する事が予測され、今年のインフルエンザも終わりを告げることになりそうです。 2月末、…

貧困の光景

約10年前、薬剤師の募集をしていた時の話です。28歳の女性薬剤師が応募してきました。ただ彼女には勤務条件がありました。それは8ヶ月しか働けない事。 彼女は薬剤師免許を取得した後、海外青年協力隊に参加し、アフリカの地で外国人医師達と共に医療に携わ…

顔の見えない薬剤師

医療の世界で薬剤師は患者様にどのように見られているのでしょう。 医師や看護師は診療の中で実際に患者様の診断・治療に関わり顔を見せていますが、薬剤師はお薬の交付の場でしか患者様と顔を合わしません。 薬剤師としては、医師の発行された処方薬が患者…

75歳以上にかかりつけ医を

朝日新聞によれば厚生労働省はhttp2日、75歳以上の高齢者向けに、公的な「かかりつけ医」制度を2008年をめどに創設する方向で検討に入ったといいます。 http://www.asahi.com/health/news/TKY200703020359.html 高齢者は複数の疾患を持つため、現在は複数の…

タミフル:薬剤師として今しなければならない事

タミフル服薬による未成年者の異常行動が連日報道されています。厚生労働省は、この異常行動とタミフル服薬には今現在相関関係は認められないとしていますが、あるテレビ局のキャスターは既に「この薬害が認められないのは、厚生労働省と製薬企業に何らかの…

終末期医療・在宅医療・緩和医療・・その3

薬剤師として 前回、厚生労働省の施策として、療養病床が23万床減る事をお話ししました。結果、これから在宅医療が進む事になるでしょう。私達薬剤師も真剣に在宅医療、そして緩和医療に取り組まなければなりません。 在宅医療に携わり始めた頃、薬剤師に在…

タミフルと異常行動

先日来テレビや新聞などで、タミフル服用後の異常行動による自殺が報道されています。 これに対して厚生労働省は、自殺はタミフルによるものとは認定できない事、そしてその有効性・使用を引き続き認めています。 この温度差は何なのか。以下の参考文献を要約…

終末期医療・在宅医療・緩和医療・・その2

日本の現状とこれから まず、参考文献として次の書籍を紹介します。 「改革」のための医療経済学:兪炳匡著・・メディカ出版 入門 医療経済学:真野俊樹著・・中公新書 厚生白書 http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaz199901/b0034.html 上記の資料からのデ…

終末期医療・緩和医療・在宅医療・・その1

先日、Blog「薬局のオモテとウラ」で終末期医療が取り上げられていました。 また、関連リンクとして私の記事も取り上げられ、平成16年7月に行われた厚生労働省の「終末期医療に関する調査報告書」も掲載されていました。 多くの方に終末期医療・緩和医療・在宅医…

OTC薬新販売制度の第一類は22成分

改正薬事法により、OTC薬(一般用医薬品)は、その成分のリスク程度によって 第1類:販売に際して薬剤師による積極的情報提供と相談応需を義務付けるもの。 第2類:薬剤師または新たに導入される登録販売者による情報提供を努力義務とし、相談応需は義務とする…

墨攻

学生時代、中国の春秋戦国時代の諸子百家に興味を持ち、その思想を色々調べた事があります。 仁・礼を重んじた孔子・孟子の儒家、無為自然を謳った老子・荘子の道家等たくさんの思想家がある中、当時は老子が好きでした。 しかし、「後宮小説」で有名な酒見賢一…

後発医薬品変更率1%

2/3朝日新聞の記事に、1月31日厚生労働省諮問機関の中央社会保健医療協議会が後発医薬品変更についての調査結果を発表した事が書かれていた。 それによると、保険薬局が昨年10月の1ヶ月に扱った処方箋の内、医師が後発医薬品への変更を認めたのは全体の17.1…

適応外処方

先日朝日新聞に「子宮内膜症の生理痛にロイコトリエン受容体拮抗剤が効果がある」旨の記事が掲載された。 子宮内膜症の増殖部位には肥満細胞が存在し、ケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエンなど)を放出する。これに対しロイコトリエン受容体拮抗剤が効果を持…

おかえりなさい(終末医療を考える)

平成15年厚生労働省資料「人口動態統計」によると、年間死亡者数1015034人の死因1位は癌309465人(31%)、2位は心疾患159406人(15.5%)、3位は脳血管疾患132044人(13.3%)、4位肺炎、5位不慮の事故、6位自殺・・・と続く。 遺伝子治療や量子線治療など治療方法は…

新しい抗インフルエンザ薬治験に入る。

1月23日付日本経済新聞によると、富山化学より新しい抗インフルエンザ薬が治験に入るそうだ。 インフルエンザウィルスは、ヒトの細胞膜にある赤血球凝集素(HA)に吸着し細胞内に侵入する。 次に宿主(ヒト)の細胞の機構を使って増殖し、最後にノイラミニダーゼ…

PR(パブリックリレーションズ)と情報公開

私達は個人として履歴書や会社の面接などで「自己PR」を求められたりすることがあります。 また、企業は率先的に自社の商品や企業理念・活動内容のPRを行っています。 PRは実はマーケティング用語で、Public Relationsの略、「広報」と訳されています。 さて…

骨粗しょう症への理解

日本経済新聞2007年1月19日掲載記事によると、東京大学などでCTの画像を基に骨強度を予測するソフトウェアが開発されたといいます。 一般に骨粗しょう症は骨密度によって診断されますが、実際には骨密度は骨全体に均一ではなく、骨密度の低い部分では、たと…

インフルエンザ流行

−インフルエンザウィルスは変異しやすい。 インフルエンザウィルスの種類は皆さんよくご存知のA型・B型の他にC型と3種類あります。 なぜ変異しやすいかというと、ウィルスというものの構造自体にあります。 人間や細菌の体は細胞を持ち、その中にDNAや…

ハルシオン0.125mg回収。

賦形剤の乳糖をオランダ製からドイツ製に変えただけで、6ヵ月後の溶出時間が15分から30分に延び、自主回収とは! 薬物動態から考えると、やっぱり効果が出始める時間の延長ばかりでなく、消化器官の移動も考えると吸収量にも差が出ると思います。 メーカー(…